不動産賃貸事業の中でも最近特に注目されているのが賃貸アパート経営でしょう。住宅の貸付事業を行う場合、もう一つの選択肢としてワンルームマンションなどの区分所有物件を購入しそれを貸すという方法がありますが、アパート経営が注目されている理由は自分の持っている土地を有効活用する必要がある人がアパート経営に注目するようになったからです。その背景には三つのことがあると言われています。一つが固定資産税、もう一つが相続税、そして最後が金利の低下です。
固定資産税については、居住用の建物が建っていない状態の課税標準は公示価格の８０％程度を目安にしていると言われていますが、それでもその税負担は軽いものではありません。しかしアパートを建てることによってその課税標準を６分の１に圧縮することができるのです。しかも、減少した固定資産税相当を家賃で回収することもできます。相続税も似たような点があり、他人が住んでいる場合は土地の評価額はその借家人の権利分だけ相続税評価額を下げる効果があり、節税につながるのです。
基礎控除の縮小の改正があったため、相続税については敏感になっている土地所有者が増えたと言われています。最後の金利の低下については、いつか自分の土地で賃貸事業をするために借り入れをするのであれば、低金利の今が資金の借り時ではないかと考える土地所有者が増えているということと関連があります。節税であれ支払い金利の節約であれ、アパート経営でしっかり利益を出さなければ本末転倒になる恐れがありますので、その点に注意をすることも大事でしょう。